漫画家の芦原妃名子さんが亡くなりました。
芦原さんは昨年実写ドラマ化された「セクシー田中さん」の原作者であり、実写化にあたりトラブルがあったことを説明した後、投稿をすべて削除していました。
[以下引用]
昨年１０月期に日本テレビ系で放送されたドラマ「セクシー田中さん」の原作で知られる漫画家の芦原妃名子さんが亡くなった。日テレが公式サイトで訃報を伝えた。「セクシー田中さん」は「姉プチ」（小学館）で連載中。２６日に自身のＳＮＳでドラマの９話、１０話の脚本を自ら担当した経緯を明かすとともに、日テレ側と脚本を巡り、原作に忠実に、などの当初の約束が守られないなどの齟齬があったことなどを長文で伝えていた。
この投稿が反響を呼び、２８日には当該投稿を削除。「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい。」と書き込んだのが最後となった。
【以下、日本テレビの公式サイト全文】
芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。
２０２３年１０月期の日曜ドラマ「セクシー田中さん」につきまして 日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら 脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。
本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております。
[デイリースポーツ]
芦原さんは今回「セクシー田中さん」の実写化にあたり詳細を指定し何度もこれでも大丈夫か確認し、日テレサイドがそれをのんだから実写化にＯＫを出したと明かしていました。
原作がまだ完結していないため、実写化の流れが原作に影響を与えることを懸念したといいます。
にも関わらず原作と乖離した内容が続いたため、かなり介入したことを明かし、この経緯は再度日テレに確認しながら書き記したものだとも書いていました。
それなのに、この日テレのコメント。
これは芦原さんへのお悔やみではなく、ただの自己保身です。
近年映像作品における漫画の実写化はひたすら増え続けています。
原作ファンからすると実写化は何かとがっかりすることが多く、あまり歓迎できるものではありません。
原作者の方の苦労が伝わる機会も増え、「ワンピース」の映画化では尾田栄一郎さんが脚本を務めたり、「キングダム」の実写化でも原作者の原泰久さんが企画会議に参加したり、さらに、昨年話題の「推しの子」では原作者の期待と絶望、葛藤や、制作サイドの都合、プロだからこそ行う改変もあるといった裏側が描かれたりもしました。
内容の改悪という意味だけでなく、制作サイドは原作者へのリスペクトはあるのか、というのが待遇の悪さです。
「海猿」の佐藤秀峰さんはアポなしの訪問や契約なしでの本の出版などのトラブルが元でフジテレビと絶縁し（のちに和解）、「テルマエ・ロマエ」のヤマザキマリさんは原作使用料として出版社から言い渡されたのは100万円のみであったことを明かしています。
※興行収入は、1作目が約60憶、2作目が約44憶…
本当に、制作サイドは原作者軽視ですよね。
ゼロから生み出した原作者が最もリスペクトされるべきなのに、普及させてあげるんだから、みたいな上からな感じなのでしょうか。。
脚本家が矢面に立ってしまいそうな現状ですが、芦原さんの「原作に忠実に」「守れないなら介入する」という条件が脚本家にきちんと正しく伝わっていたんだとしたら、さすがにあんなにまるで自分のオリジナル作品かのように扱ったり、原作者に不満を匂わせるようなコメントはしなかったのではないでしょうか。
間に立つ小学館と日テレがきちんと役目を果たしていれば、こんなことにならなかったはず。
その日テレが、スピード命のように出した自己保身全開のコメントが情けなくて仕方ありません。
しかし、人ひとりが亡くなってしまったこの状況で誰かを責めても辛いだけです。
ジャニタレも多くの実写化作品と関わっています。
こんな不幸なことが二度と起こらないことを祈ります。
※芦名さん原作、中山優馬くん主演
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